中1理科

摩擦力とは?静止摩擦と動摩擦の違いをわかりやすく解説

公開: 2026年8月27日

この記事の要点

床の上の重い段ボール箱を押しても、なかなか動かない。ぐっと力をこめてようやく動き出すと、そこからは意外に軽く押せる——誰でも経験のあるこの現象は、摩擦力の性質そのものです。中学1年の理科で学ぶ内容を軸に、順番に見ていきます。

摩擦力はどの向きにはたらくのか

摩擦力は、ふれ合っている2つの面の間に生まれる力で、物体が動く向き、または動こうとする向きと反対向きにはたらきます。箱を右に押せば、床から箱には左向きの摩擦力がはたらきます。

ポイントは「動こうとする向き」にも反応することです。箱を軽く押しただけで動かないとき、箱が静止しているのは、押した力と同じ大きさの摩擦力が反対向きにはたらいて打ち消しているからです。押す力を少し強めると、摩擦力もそれに合わせて強くなり、つり合いを保ちます。

静止摩擦と動摩擦:2種類の摩擦

静止摩擦:止まっている物体を守る力

止まっている物体にはたらく摩擦です。押す力に応じて0から大きくなっていき、ある限界(最大静止摩擦力)を超えると、物体はすべり出します。

動摩擦:すべっている間はたらき続ける力

すべっている物体にはたらく摩擦です。大きさはほぼ一定で、一般に最大静止摩擦力よりも小さくなります。

この「静止摩擦の限界 > 動摩擦」という関係が、冒頭の段ボール箱の謎の答えです。動き出す瞬間には最大静止摩擦力を超える力が必要ですが、いったんすべり始めれば、相手は一段小さい動摩擦に変わる。だから動き出す瞬間が一番重いのです。

摩擦の大きさは何で決まるか

摩擦力の大きさは、主に2つの要素で決まります。1つは面を押しつける力の大きさで、重い物ほど摩擦は大きくなります。もう1つはふれ合う面の状態です。ざらざらしたゴムと氷の上では、同じ重さでも摩擦はまるで違います。

雪道で靴がすべるのは、氷や雪と靴底の間の摩擦が極端に小さくなるからです。冬用タイヤやスパイクは、面の状態を変えることで摩擦を取り戻す工夫といえます。

摩擦は「邪魔者」ではない

摩擦と聞くと動きを妨げる悪者のようですが、摩擦がなければ私たちは一歩も歩けません。歩行は、靴底が地面をうしろに押し、その摩擦の反作用で体が前に進む動作だからです。ほかにも、

つまり摩擦は、必要な場面では確保し、不要な場面(機械の軸受けなど)では油やベアリングで減らす、というように人間が使い分けている力なのです。

▶ 遊びながら体感する: 当サイトのPixel Balanceは、落としたブロックを積み上げていく物理パズルです。ブロック同士の摩擦が効いているため、少し傾いた面でも意外とすべり落ちません。「摩擦があるから成り立つ積み方」を試してみてください。
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